●ひし餅 |
ひし餅は、伸ばし餅をひし形に切ったもの。一般的に「新緑を表す緑・雪を表す白・桃を表す赤(ピンク)」の3色が「健康・魔除け・清浄」を表わし、「春になり、雪の下から新緑が芽吹き、桃の花が咲く」といった意味がこめられています。ひし餅の3色は、赤色の部分に解毒作用のある赤いくちなしが、白色の部分に血圧降下作用のある白い菱(ひし)の実が、そして緑色の部分には造血作用があり厄除けの力があるといわれる「よもぎ」が使われています。また、ひし餅の形は心臓の形を表しているという説や、ひしの水面に浮かんだ葉の形を映しているといった説があり、尖った形に厄除けや魔除けの意味があるのだそうです。 |
●引千切(ひちぎり) |
平安時代、宮中の祝いの儀式の際に用いられた戴餅(いただきもち)がはじまりといわれています。餅の先端をひきちぎった形状から付いた名前の和菓子で、子だくさんを意味しているそうです。 |
●蛤のお吸い物 |
蛤の貝殻は必ず一対をなし、他の貝殻と合わさることはありません。そのことから「良縁に恵まれる」夫婦和合の象徴として、また殻が固く閉じている様から女性の貞節の象徴として、ひな祭りに蛤のお吸い物を添えるようになったといわれています。他にも、巻貝には願い事が叶うといういわれがあり、さざえなどをいただく地域もあります。 |
●ひなあられ |
現在はひし餅と合わせてお供えしますが、ひなあられはひし餅から転じたものと考えられています。なので、ひし餅の意味と同様、緑が新緑を、白が雪を、赤(ピンク)が桃を表し、災いや病気を追い祓うという意味が込められています。 |
●桃 |
桃は古代中国では邪気を祓う仙木と考えられ、「生命力」「不老」「平和」の象徴とされています。日本でも魔除けとして桃の木が用いられ、3月3日の「桃の節句」に桃の酒(桃の花を浸したお酒)を飲めば、百病を除くといわれています。 |